おはようございます!
小土カエリです。
今日はキャラ作りに付いてまとめてみました。
前回の小説の書き方4つのスタイルに続き、書き方講座二回目です!
あくまで私の意見ですが、参考になれば幸いです。
それではどうぞ!
- はじめに
- ステップ1: キャラクターの基本情報を設定する
- ステップ2: キャラクターの過去と目標を設定する
- ステップ3: 性格や特徴を具体的に描く
- ステップ3: 性格や特徴を具体的に描く
- ステップ4: 見た目や外見を考える
- ステップ5: キャラクターを読者に印象づけるセリフや行動を設定する
- 具体例: 成功するキャラクターの特徴
- キャラクター作りの注意点
- おわりに
はじめに
物語を書くとき、多くの人がまずストーリーの大筋を考えることから始めがちです。しかし、ストーリーだけを考えてからキャラクターを作ろうとすると、キャラクターが物語に引っ張られて「生き生きとした動き」を感じにくくなることがあります。
そこでおすすめしたいのが、**「キャラクターを先に作る」**という方法です。登場人物たちがどんな性格で、どんな価値観を持っているのかを先に考えることで、物語がキャラクター自身の自然な行動や選択によって動き出すのです。
例えば、キャラクターが「強い正義感を持ちながらも、時々短気になる」という設定であれば、彼らが物語の中でどのように行動するかが自ずと見えてきます。結果として、物語全体が自然で説得力のある流れになりやすくなるのです。
この記事では、初心者でも簡単に取り組めるキャラクター作りの方法をステップごとに解説していきます。キャラクターの基本情報の設定から、物語を引き立てる魅力的な特徴の付け方まで、しっかりとサポートします。これを読めば、あなたも物語を動かす力を持ったキャラクターを作れるようになるでしょう!
ステップ1: キャラクターの基本情報を設定する – 名前編
キャラクター作りで最初に決めるべき重要な要素の一つが「名前」です。名前はそのキャラクターの第一印象を決めるだけでなく、物語の中での役割や背景にも大きな影響を与えます。
1. どこにでもありそうな名前の魅力
現代が舞台の物語や、リアリティを重視したストーリーでは、目立たない名前がむしろキャラクターに深みを与えることがあります。例えば「田中太郎」「佐藤花子」のような平凡な名前にすることで、読者に親近感を与えたり、普通の生活を送る人々を描く物語に自然さを加えることができます。
ポイント: 自然な名前の利点
- 読者に共感されやすい
現代日本の舞台であれば、あまり突飛な名前は浮いてしまうことがあります。親しみやすい名前は、読者がキャラクターに感情移入しやすくなります。 - 後から特別感を演出できる
普通の名前のキャラクターが、物語の中で特別な存在に成長することで、ギャップが際立つ効果を生むことができます。
例: 自然な名前が引き立つキャラクター
- 例1: 山田一郎
平凡な名前ながら、実は特殊能力を持っている少年。物語が進むにつれ「普通の名前」と「非凡な運命」の対比がドラマを生む。 - 例2: 佐藤花子
都会に生きる平凡なOLだが、物語の中で非日常的な事件に巻き込まれていく。平凡だからこそ際立つ成長の物語が描ける。
2. 尖った名前で個性を強調する
一方で、突飛な名前やキラキラネームは、それだけでキャラクターの印象を強烈に残すことができます。ただし、尖った名前を使う際は、その名前に説得力を持たせる背景設定が重要です。
ポイント: 名前に物語を込める
- 背景や過去を反映させる
キャラクターの両親がどういう価値観を持っているのか、その名前がどんな思いを込められてつけられたのかを考えることで、名前に深みが出ます。 - 名前がキャラクターの苦楽を象徴する
たとえば、「煌星(きらぼし)」のような名前のキャラクターであれば、目立つ名前のせいでいじめられたり、逆にその名前に負けないような努力をしてきた、というエピソードを盛り込むと物語に厚みが出ます。
例: 尖った名前を活かすキャラクター
- 例1: 天翔煌星(あまかけるきらぼし)
誇り高い家系に生まれた少年。名前に負けない英雄を目指して奮闘するが、自身の理想と現実のギャップに悩む。 - 例2: 破神レクス(はがみれくす)
異世界が舞台の物語で、名前そのものが「神殺し」という宿命を象徴している。名前が物語のキーになる設定。
3. 名前を決めるときのコツ
- 物語の世界観に合わせる
現代日本、異世界、未来のSFなど、それぞれの舞台に合った名前を選びましょう。たとえば、異世界なら「エリオス」や「リュミエール」、未来SFなら「カイ-7」などが適しています。 - 名前に音のリズムを意識する
呼びやすく覚えやすい名前は、読者にとっても好印象です。長すぎる名前はニックネームを用意すると良いでしょう(例: 「アルヴェリオン」→「アル」)。
名前編:まとめ
名前はキャラクター作りの基盤であり、その物語に合った雰囲気や背景を強く印象付ける重要な要素です。どこにでもいそうな名前も、尖った名前も、それぞれの良さを活かすことで物語がより魅力的になります。名前を考える際には、そのキャラクターがどんな人生を送ってきたのか、どんな未来を目指しているのかを想像してみましょう。それだけで、キャラクターがぐっと「生きた存在」になるはずです。
ステップ2: キャラクターの過去と目標を設定する
物語を書く上で、「主人公が何を目指しているのか」を明確にすることは最重要です。目的が明確でないと、読者は「このキャラクターは何がしたいの?」と感じ、物語への興味を失ってしまうことがあります。特に、書きたいシーンから書き始めた場合や、アクションやイベントが主体の物語では注意が必要です。
1. 目的は物語の「軸」になる
主人公の目的を設定することは、物語全体の「土台」を作る作業に似ています。土台がしっかりしていれば、どれだけ複雑な展開を盛り込んでも、物語が宙に浮くことはありません。
例えば、「家族を救うために冒険する」という目的がある主人公は、その行動や選択に一貫性を持たせやすく、読者も共感しやすくなります。
読者に共有するポイント
- 主人公の目指すゴールを序盤でしっかり伝える。
- ゴールに向かう過程での困難や葛藤を描き、読者を引き込む。
2. 主人公の「過去」を活かす
目的には必ず「なぜそれを目指すのか?」という理由が必要です。この理由をキャラクターの「過去」とリンクさせることで、読者に納得感を与え、感情移入を促すことができます。
過去を設定するポイント
- 「普通の日常」からの変化
- 主人公の物語が始まる前の日常を描き、それが変化した理由を提示する。
- 例: 主人公は平凡な学生だったが、家族が失踪し、それを探す旅に出る。
- トラウマや大きな出来事
- 人生を変えるような大事件(例: 戦争、事故、裏切り)を過去に設定すると、主人公の目的に深みが生まれる。
- 例: 過去に命を救ってくれた恩人の仇を討つため、冒険の旅に出る。
3. 書きたいシーンとのバランスを取る
多くの作家が「このシーンを書きたい!」という強い思いから物語を書き始めることがあります。それ自体は良いアプローチですが、目的が曖昧だと、シーン同士をつなぐ物語が宙に浮いてしまうことがよくあります。
解決策
- シーンに繋がる「動機」を作る
- 例: 「敵と戦うバトルシーン」を書きたいなら、その戦闘に至るまでの動機(敵が主人公の邪魔をする理由、主人公が戦わざるを得ない状況)を考える。
- 目的が最優先
- 書きたいシーンは「目的を達成するための通過点」にするイメージを持つ。これにより、どんなに派手な展開でも、物語全体に整合性が取れる。
4. 目的設定の具体例
以下に、物語の目的とその背景を活かす具体例を挙げます:
- 目的例1: 失われた家族を探す
- 背景: 主人公の妹が誘拐され、手がかりを追う旅に出る。
- 魅力: ゴールが明確で、読者が感情移入しやすい。妹との再会が物語のハイライトとなる。
- 目的例2: 世界を救う鍵を見つける
- 背景: 幼い頃、故郷が滅ぼされ、その原因となった古代の遺物に興味を持つ。
- 魅力: 主人公が使命感と個人的な復讐心の間で葛藤する展開が描ける。
- 目的例3: 自分の失われた記憶を取り戻す
- 背景: 主人公は目覚めたとき、自分が誰なのか分からない。物語を通じて断片的に真実が明かされる。
- 魅力: 記憶を追う過程で新たな目的が生まれる可能性がある。
5. 目的がキャラクターを動かす力になる
目的を設定することで、キャラクターの行動や選択に一貫性が生まれます。例えば、「世界を救いたい」と思っている主人公なら、その目的に合った行動を自然に取るはずです。逆に、目的がなければキャラクターがブレた印象を与え、物語自体も迷走しがちです。
キャラ編:まとめ
キャラクターの目的は、物語の土台を作る上で最も重要な要素の一つです。明確な目的と、それを支える背景を設定することで、キャラクターが自然に動き出し、物語全体に説得力が生まれます。次に書きたいシーンがあるなら、それがキャラクターの目的にどう繋がるのかを考えることで、物語の一貫性がグッと高まります。
ステップ3: 性格や特徴を具体的に描く
キャラクターの性格や特徴を設定する際、「長所」と「短所」をセットで考えることが重要です。これにより、キャラクターが人間らしく、物語の中で自然に動き出します。単に「完璧な人間」や「なんでもできる」キャラクターを作るのではなく、矛盾や弱点を持たせることで、そのキャラクターが生き生きとした存在になります。
1. 長所に制約を加える重要性
例えば、「主人公にチート能力を持たせる」場合、それが万能すぎると物語が単調になったり、矛盾が生じやすくなります。長所を活かすためには、それに対する「制約」や「デメリット」を設定することが大切です。
例: 長所に制約を持たせる設定
- 長所: 超人的な戦闘能力を持っている。
短所/制約: 能力を使うたびに体力を大幅に消耗するため、長時間戦い続けられない。 - 長所: 他人の心を読める。
短所/制約: 情報が多すぎて頭が混乱しやすく、意図的に遮断しなければならない。 - 長所: 高いリーダーシップとカリスマ性を持つ。
短所/制約: 自分ひとりで解決しようとしすぎて周囲との衝突が生まれる。
ポイント
長所を活かすための条件やトリガーを設定すると、物語の展開に奥行きが生まれます。例えば、「能力が強力すぎて普段は封印しているが、大切な人が危機に陥ると解放する」という設定は、感動的な場面を作りやすいです。
2. 矛盾を持たせるキャラクターが魅力的
「完璧な人間」は一見理想的に思えますが、物語においてはあまりにもつまらなくなりがちです。一方で、「矛盾を持つ性格」のキャラクターは、読者にとって親近感や興味を引きやすい存在になります。
矛盾を活かした性格の例
- 例1: 自信家だけど小心者
- 人前では堂々としているが、実際は細かい失敗に怯える。
- この矛盾が、勇気を出して困難に挑むシーンでの感動を生む。
- 例2: 冷酷だけど情に厚い
- 普段は冷静で非情に見えるが、仲間や家族を傷つけられると感情を抑えられなくなる。
- ギャップがあることで、キャラクターの魅力が増す。
- 例3: 賢いけどおっちょこちょい
- 知識は豊富だが、実際の行動で小さなミスをしてしまう。
- 物語の中でコミカルな場面を作りやすい。
3. 習慣や癖を設定して個性を際立たせる
キャラクターを個性的に見せるためには、性格だけでなく、独特の「習慣」や「癖」を設定するのも効果的です。これにより、読者がキャラクターを思い出しやすくなります。
例: 習慣や癖のアイデア
- いつも小さなノートにメモを取るクセがある。
- 緊張すると指をトントン叩く。
- 甘いものを見ると無意識に笑顔になる。
ポイント
これらの習慣や癖は、ストーリーの中でキャラクターの感情や性格を補足する役割を果たします。たとえば、主人公が「大事なノートを失う」ことで、ストーリーの重要なイベントに繋がることもあります。
4. 長所と短所をセットで考える練習
以下の質問を使って、長所と短所をセットで考えてみましょう:
- このキャラクターの強みは何ですか?
- その強みが原因でどんな問題が起きるでしょうか?
- その問題を解決するためにどんな努力をするでしょうか?
具体例
- 強み: 戦闘能力が高い。
- 問題: 仲間を危険に巻き込まないために単独行動しがちで、孤立する。
- 解決方法: 仲間との信頼関係を築くため、戦闘以外でも活躍しようと努力する。
5. 注意点: なんでもできるキャラクターは避ける
「なんでもできるキャラクター」は、一見便利に思えますが、物語を単調にしてしまう危険性があります。逆に、弱点や制約を持たせることで、キャラクターが困難を乗り越える過程にドラマが生まれます。
長所短所:まとめ
長所と短所をセットで考え、「矛盾」や「癖」を取り入れることで、キャラクターに深みと個性を与えることができます。読者が共感したり、応援したくなるキャラクターを作るためには、完璧さではなく、弱点やギャップをうまく活かすことが鍵です。次にキャラクターを作るときは、「このキャラクターの強みと弱みは何か?」をぜひ意識してみてください!
ステップ4: 見た目や外見を考える
キャラクターの外見は、読者がそのキャラクターをイメージし、覚えるための重要な手がかりです。髪型や服装、体型、目の色、さらには傷跡やタトゥーといった要素を巧みに設定することで、キャラクターに深みを与えることができます。さらに、外見にはキャラクターの過去や性格を反映させることも可能です。
ここでは、魅力的な外見を作るためのコツと、外見を通じてキャラクターの物語を伝える方法を解説します。
1. 外見はキャラクターの個性を表す
髪型や服装、目の色などの設定は、キャラクターの性格や背景を象徴するものとして機能します。
たとえば、**「白髪に赤い目」**のキャラクターは、ミステリアスさや特別な運命を背負った印象を与えます。一方で、「地味な黒髪に丸眼鏡」のキャラクターは、真面目で控えめな性格を連想させます。
例: 外見で個性を表現する方法
- 髪型: ボサボサの髪は無頓着さ、きっちり整った髪は几帳面さを示す。
- 服装: 派手な服は自信家、地味な服は控えめな性格や経済状況を表す。
- 体型: 細身で背が高いならクールなイメージ、がっちりした体型なら力強さをアピール。
2. 外見で過去や背景を暗示する
外見に「過去の出来事」や「トラウマ」を反映させることで、キャラクターに深みを持たせることができます。たとえば、火傷痕や傷跡は、それを負うことになった事件や出来事を暗示し、読者の想像を掻き立てます。
例: 過去を反映した外見
- 火傷の跡: 過去に炎に包まれる事件があったことを示唆。
- タトゥー: 特定の文化やギャングの一員だった背景を暗示。
- 義手や義足: 戦闘や事故で失った過去を表現。
ポイント
外見から「物語のフック」を作ることで、読者に興味を持たせることができます。
例: 「この火傷の跡は一体何が原因なのか?」→ 過去の出来事がストーリーの一部に。
3. イメージしやすい描写のコツ
外見の描写は、読者がキャラクターを頭の中で想像しやすいように工夫しましょう。ただし、細かすぎる描写はかえって冗長になることもあるので、特徴的な部分をピックアップして描くことがポイントです。
具体的な描写方法
- 特徴的な部分を際立たせる
- 「銀髪が月光に反射して輝く」
- 「焦げ茶色のローブに包まれた、大きな体格の男」
- 色や質感を加える
- 「瞳はルビーのように鮮やかな赤」
- 「皮膚には無数の古い火傷の跡が残っている」
- 動きを含める
- 「長い金髪が風に揺れ、光を反射する」
- 「小さな手がマントを掴む仕草に、怯えが滲む」
4. 外見のバランスを取る
キャラクターの外見を作る際には、「特別さ」と「親近感」のバランスを意識することが重要です。異世界やファンタジーでは、特別な外見を持つキャラクターが多い一方、日常的な舞台では控えめな外見の方が自然に見えることがあります。
バランスの取り方
- 特別な要素を一つだけ強調:
「白髪に赤い目」など、一つの要素を目立たせると読者に覚えられやすくなる。 - 他はシンプルに:
派手な要素が多すぎると、キャラクターが浮いてしまうことがあります。
5. 見た目に「ギャップ」を持たせる
外見と内面にギャップを持たせることで、読者を驚かせたり、興味を引くことができます。
例: 「筋骨隆々の大男が、実は花を愛する優しい性格だった」など。
外見:まとめ
キャラクターの外見は、物語の扉を開ける「第一印象」を決める大事な要素です。好きな要素を自由に取り入れつつ、背景や過去を反映させることで、単なるデザイン以上の深みを持たせることができます。あなたのキャラクターがその世界でどんな人生を歩んできたのか、想像を膨らませながら外見を作り上げていきましょう!
ステップ5: キャラクターを読者に印象づけるセリフや行動を設定する
キャラクターを読者に覚えてもらうには、そのキャラならではの「口癖」や「決め台詞」、「ルーティーン」を設定することが効果的です。些細な仕草や行動、特定のシチュエーションで必ず発する言葉など、特徴を一つでも持たせることで、キャラクターの個性が際立ちます。
「そのキャラクターらしい特徴」を作るためには、特別なセリフや行動を加えることが有効です。それがあるだけで、読者にとって忘れられない存在になる可能性があります。
1. 記憶に残る口癖や決め台詞
キャラクターが特定の状況で必ず言う「決め台詞」や「口癖」は、物語にリズムを生み出し、読者にキャラクターを印象づける効果があります。
例: 決め台詞のアイデア
- 戦闘中に言う台詞
- 「燃え尽きるまで踊れ!」(熱血な剣士)
- 「お前の計画、破綻させてもいい?」(冷静な策士)
- 自己紹介で言う台詞
- 「あんた、私を知らないの?世界一の泥棒だけど?」
- 「俺はただの旅人さ。ただし、どこにも居場所がない。」
口癖の例
- 常に「まあ、どうでもいいけど」と言いながら、本当は気にしているキャラ。
- 「いいかい、〇〇ってのはね」と知識を披露する癖のあるキャラ。
ポイント
決め台詞や口癖は、キャラクターの性格や背景にリンクさせるとより効果的です。
例: 「戦闘中に皮肉を言うキャラは、過去に戦いで感情を捨てた」という設定を加える。
2. 覚えやすい仕草やルーティーン
仕草や行動のルーティーンは、そのキャラクターを印象づけるもう一つの方法です。大げさでなくても、些細な動きが個性として読者の記憶に残ります。
例: キャラクター特有の仕草
- 緊張しているときの動き
- 髪を無意識に触る。
- 靴の紐を結び直す。
- 日常生活のルーティーン
- 必ず朝に紅茶を飲む。
- 電車に乗るときは必ず窓側の席を選ぶ。
- 感情の高ぶりを表す癖
- 怒ると鼻をこする。
- 嬉しいときは手をポケットに入れて隠そうとする。
ポイント
些細な動きがそのキャラらしさを際立たせます。これらの仕草は物語の中でキャラクターの感情を表す補助的な役割を果たします。
3. シチュエーションごとの特徴を作る
特定の状況で「このキャラクターならこうする」という行動を設定することで、物語の一貫性が生まれます。
例: シチュエーションごとの特徴
- 緊迫した場面
- 常に笑みを浮かべて状況を軽く見せようとする。
- 頭を下げ、相手の視線を避ける。
- 仲間といる場面
- 必ず誰かをからかう。
- 話を聞くふりをしながら実は空想にふけっている。
4. 台詞と行動のギャップを活かす
台詞と行動にギャップを持たせると、読者に「このキャラクター、面白い!」という印象を与えやすくなります。
例: 台詞と行動のギャップ
- 「俺には無理だ」と言いつつ、誰よりも努力する。
- 「人を助けるのは面倒だ」と言いながら、困っている人を放っておけない。
5. 決め台詞やルーティーンが物語に活きる例
決め台詞やルーティーンは、それ自体が物語に重要な役割を果たすこともあります。
例: 決め台詞が重要な役割を果たすシーン
- 主人公の決め台詞が、仲間の心を奮い立たせる場面。
- 普段のルーティーンが破られることで、異常事態を読者に伝える。
決め台詞:まとめ
キャラクターの「らしさ」を表現するために、決め台詞やルーティーンを活用するのは非常に効果的です。些細な仕草や癖を付加するだけで、キャラクターにディテールが加わり、物語に奥行きが生まれます。これらを意識してキャラクターを描くことで、読者にとって忘れられない存在を作り出しましょう!
具体例: 成功するキャラクターの特徴
これまで紹介したキャラクター作りのポイントを活かすことで、読者の心に深く残るキャラクターを生み出すことができます。では、実際に成功している有名キャラクターを例に挙げて、具体的に見ていきましょう。
1. オールマイト(『僕のヒーローアカデミア』)
キャラクターの特徴
- 決め台詞: 「私が来た!」
- 短く力強い言葉で、彼が「ヒーローとしての象徴」であることを一瞬で伝える。読者も、この言葉を聞くと安心感や興奮を覚える。
- 外見: 筋骨隆々のマッチョボディ+輝く笑顔
- 読者に一目で「ヒーロー」という印象を与える外見。一方で、ガリガリに痩せた姿とのギャップがキャラクターに奥行きを与えている。
- 目的: 「ヒーローとしての象徴であり続ける」
- 社会に希望を与える存在であることを目指し、自身の限界を超えて行動し続ける。その覚悟と努力が読者に感動を与える。
成功の理由
オールマイトは、強さや希望を象徴するキャラクターでありながら、弱さや葛藤も抱えている点が魅力的です。これが「矛盾を持つキャラクター」の良い例であり、読者に親近感を持たせる重要なポイントになっています。
2. ルフィ(『ONE PIECE』)
キャラクターの特徴
- 決め台詞: 「海賊王に、俺はなる!」
- 物語の目的そのものを端的に表す名言。繰り返し使われることで、キャラクターの信念が読者に強く印象付けられる。
- 外見: 麦わら帽子+赤いベスト+ゴムの能力
- 見た目のシンプルさと、特殊能力の面白さが絶妙に融合している。海賊らしさを備えながらも、どこか自由で無邪気な雰囲気を醸し出す。
- 目的: 「海賊王になる」+「仲間を守る」
- 明確なゴールと仲間思いの性格が、物語全体を通してブレない軸となっている。
成功の理由
ルフィは、自由を追い求める無邪気な性格と、仲間のためには命を賭ける覚悟を持つというギャップが魅力的です。物語全体を牽引する明確な目標もあり、読者が感情移入しやすいキャラクターです。
3. シエル・ファントムハイヴ(『黒執事』)
キャラクターの特徴
- 決め台詞: 「僕は女王の番犬だ」
- 自身の立場を象徴する台詞であり、冷徹さと覚悟を端的に示している。
- 外見: 中性的な美少年+片目の封印(契約)+ゴシック調の服装
- ゴシックファッションや片目の封印が「謎めいた雰囲気」を生み出し、読者を惹きつける外見デザイン。
- 目的: 「家族の仇を討つ」+「女王の命令を遂行する」
- 復讐という明確な目標を持ちながらも、他者を利用する冷徹な姿勢が物語にスリルを与える。
成功の理由
復讐心というシンプルながらも強烈な動機に加え、冷徹さの裏に隠れた孤独や弱さがキャラクターに深みを与えています。ビジュアルの魅力も抜群で、多くの読者の心を掴んでいます。
4. キルア・ゾルディック(『HUNTER×HUNTER』)
キャラクターの特徴
- 決め台詞: 特に固定された決め台詞はないが、「やめておけ、死ぬぜ?」など冷静な警告が印象的。
- 外見: 白髪+スリムな体型+無邪気な笑顔
- 無邪気な見た目と、暗殺一家の末裔という設定が際立つギャップを生む。
- 目的: 「仲間を守りたい」+「自分の意思で自由に生きたい」
- 暗殺一家からの独立を目指しつつ、仲間への深い友情が物語の軸になる。
成功の理由
冷徹な暗殺者でありながら、友情を大切にする姿勢が読者の心を掴みます。目的の二面性(自由と仲間のために戦う)が物語に多層的な魅力を与えています。
具体例:まとめ
成功するキャラクターは、以下の要素をバランスよく持っています:
- 決め台詞: キャラクターを象徴し、読者に強い印象を与える。
- 外見: 一目で個性が分かるデザイン。背景や性格を暗示する要素も含む。
- 目的: 明確なゴールを持ち、それが物語全体を動かす軸となる。
- 矛盾: 強さや冷徹さといった性格に、弱さや優しさといったギャップを持たせることで魅力が増す。
これらを参考に、自分のキャラクター作りに活かしてみてください!
キャラクター作りの注意点
キャラクターの設定を作るとき、あれもこれもと盛り込みすぎると、読者にとって「覚えるのが大変」なキャラクターになってしまうことがあります。特に、物語の序盤では、キャラクター1人につき「2つまでの特別な設定」に絞るのがおすすめです。最初から情報を詰め込みすぎると、せっかくの設定も埋もれてしまい、読者が興味を失ってしまう可能性があります。
ここでは、キャラクター作りで注意すべきポイントを解説します。
1. 初期設定はシンプルに、キャラ1体につき「2つ」まで
物語の序盤では、キャラクターの設定を「2つまで」に絞りましょう。これは、読者が負担なく覚えられる限界に近い数字だからです。特に、読者がまだ物語の世界観に慣れていない段階では、キャラクター設定を絞ることで物語への没入感が高まります。
例: 設定を絞ったキャラクター
- 例1: 白髪+火傷の跡がある剣士
- 特徴1: 「白髪で赤い目」という外見。
- 特徴2: 「過去の火事で受けた火傷の跡」があり、それがトラウマとなっている。
- 例2: 落ち着いた声の冷静な探偵
- 特徴1: 「静かな声で話す」ことで威圧感を与えない。
- 特徴2: 「常に紅茶を片手にしている」という癖がある。
ポイント
初期に絞った「2つの設定」が強烈であればあるほど、読者はそのキャラクターを覚えやすくなります。逆に、最初から複雑な背景や大量の設定を説明しようとすると、読者は混乱してしまいます。
2. 情報は少しずつ開示する
キャラクターの設定や背景は、物語が進むにつれて少しずつ明らかにするのが効果的です。これにより、読者はキャラクターに興味を持ち続け、最後まで追いかけたくなるのです。
例: 段階的な情報開示の方法
- 序盤: 「白髪で火傷の跡がある剣士」とだけ説明。
- 中盤: 火傷の原因が「家族を失った事件」によるものだと判明。
- 終盤: 火事の背後に隠された真相が、物語のクライマックスとして描かれる。
3. ステレオタイプに注意する
キャラクター作りで気をつけたいのは、よくある「ステレオタイプ」に陥らないことです。たとえば、「冷酷な暗殺者」や「無愛想な天才」はありがちな設定ですが、そのままだと個性が薄れてしまいます。
ステレオタイプを超える工夫
- 例1: 冷酷な暗殺者
- ステレオタイプ: 任務以外に興味がない冷徹な人物。
- 工夫: 実は猫好きで、暗殺中も猫を見つけると時間を忘れる。
- 例2: 無愛想な天才
- ステレオタイプ: 他人を見下しがちな孤高の存在。
- 工夫: 実は家族思いで、弟のために何でも努力する。
4. 世界観とのバランスを考える
キャラクターの設定は、物語の世界観と矛盾がないようにすることが大切です。たとえば、近未来SFの舞台で中世的な騎士の設定を持ち込むと、読者が違和感を抱くことがあります。
例: 世界観に沿った設定
- 中世ファンタジー: 火を操る能力を持つ「炎の魔導士」
- 近未来SF: 体に埋め込まれたAIアシスタントと対話するエージェント
ポイント
「世界観に合った設定+少しだけ際立った特徴」を持つことで、キャラクターが物語に溶け込みつつも個性が際立ちます。
5. 覚えておきたい「引き算」の大切さ
設定を詰め込みすぎないためには、「引き算」の意識が重要です。すべてを説明するのではなく、キャラクターの設定の中で「この要素は物語に必要か?」と問い直し、不必要なものを削ることを心がけましょう。
引き算のチェックリスト
- この設定がなくてもキャラクターは成り立つか?
- 他のキャラクターと設定が被っていないか?
- 物語の序盤で説明する必要がある設定か?
注意事項:まとめ
キャラクターの設定を詰め込みすぎると、読者にとって覚えにくく、物語自体が重く感じられることがあります。まずは「キャラクター1体に2つの特徴」で勝負し、その後の物語の中で少しずつ情報を開示していきましょう。こうすることで、読者は興味を持ち続け、キャラクターとの距離を徐々に縮めることができます。
おわりに
キャラクターが自然に動き出す物語は、それだけで読者を引き込みます。強烈なアクションや壮大なプロットがなくても、キャラクターが生き生きとしていれば、物語にリアリティが生まれ、読者はその世界に没頭できるのです。
誰かが言ったように、「小説を読むことは、人生が一度しかないことへの抵抗」なのかもしれません。キャラクターを通して、もう一つの人生を体験させる。これが、物語を創る醍醐味ではないでしょうか。
そして、キャラクターを作る際に「物語に合ったキャラを考える」のではなく、キャラクターを先に作り、そのキャラクターの行動や選択から物語を生み出すというアプローチもおすすめです。あなたが生み出したキャラクターが、物語の中でどのように動き、どんな世界を築き上げるのか――その過程を楽しんでください。
キャラクター作りに悩んだときは、ぜひこの記事を思い出して、一歩ずつ進んでみてください。あなたの物語が、素晴らしいキャラクターたちによって彩られることを応援しています!